
「腕を上げると激痛が走る」「夜中に痛みで目が覚める」
そんな四十肩・五十肩の症状に悩まされていませんか?
放置すると肩が固まって動かなくなる恐れもありますが、ご安心ください。症状の時期に合わせた正しいストレッチを行えば、つらい痛みは改善できるのです。
本記事では、四十肩・五十肩が起こるメカニズムから、症状別の効果的なストレッチ法、日常でできるセルフケアまでを徹底解説。痛みを和らげながら可動域を広げる具体的な方法がわかります。
今日からできる正しいケアで、しなやかな肩の動きを取り戻しましょう。
まずは確認!四十肩・五十肩でみられる主な症状

四十肩・五十肩には、特徴的な3つの症状があります。単なる肩こりと違い、日常動作に支障をきたすのが大きな特徴です。
ここでは、四十肩・五十肩でよくみられる代表的な症状を詳しく解説します。自分の症状と照らし合わせながら、確認していきましょう。
腕が上がらない、回せないといった可動域の制限
四十肩・五十肩で最も多く見られるのが、この可動域制限です。腕を上げる、後ろに回すといった動作が困難になります。
日常生活でこんな症状が出ます:
- 髪を洗う時に腕を上げられない
- 電車のつり革が掴めない
- 背中のファスナーを上げられない
- エプロンの紐を後ろで結べない
炎症によって関節包が厚く硬くなり、周囲の組織と癒着してしまうためです。物理的に関節の動きが妨げられ、「これ以上動かない」という突っ張り感が生じます。
肩の付け根から二の腕にかけて鋭い痛みを感じることもあるでしょう。結帯動作と呼ばれる背中で手を合わせる動きが、全くできなくなるケースも珍しくありません。
寝ている時や夜中にズキズキと痛む(夜間痛)
日中は気にならないのに、夜布団に入るとズキズキ痛む。寝ている最中に痛みで目が覚めてしまう。
こうした夜間痛は、炎症が強い急性期によく現れます。
夜間痛が起こる理由:
- 横になると肩関節内の圧力が高まりやすい
- 日中に蓄積された炎症物質が局所にとどまる
- 寝返りで痛む方の肩を圧迫してしまう
夜間は血流が穏やかになり、炎症物質が痛みの神経を刺激しやすくなります。
無意識に痛む側を下にして寝てしまい、圧迫で激痛が走るケースも多いです。睡眠の質が著しく低下し、日中の疲労にもつながってしまいます。
痛みで眠れない日が続くと、心身ともに負担が大きくなります。
服の着脱など特定の動きで肩に激痛が走る
日常生活の中で、特定の動作をした瞬間に電気が走るような激痛を感じます。服を着替える動作は、多くの方が困難を感じる代表例です。
Tシャツやセーターを頭からかぶる時、袖に腕を通す時など、腕を上げたりひねったりする複雑な動きが要求されます。
痛む側の腕から先に袖を通そうとすると、激痛で動作を中断せざるを得ません。
激痛が走りやすい場面:
- 高い棚の物を取ろうと手を伸ばした瞬間
- 車の運転中に後部座席の荷物を取る時
- 重い荷物を持ち上げる時
炎症を起こしている肩関節に大きな負担がかかるためです。
不意の動作で痛みが誘発されることが多く、日常生活におけるQOL(生活の質)を大きく下げる要因となります。
四十肩・五十肩はなぜ起こる?考えられる2つの原因
四十肩・五十肩の明確な原因は完全に解明されていませんが、主に2つの要因が関係していると考えられています。
ここでは、それぞれの原因メカニズムを詳しく見ていきましょう。
加齢にともなう肩関節周辺の組織の炎症
肩関節は広範囲な動きを実現するため、他の関節に比べて構造的に不安定です。この安定性を支えているのが、腱板と呼ばれる筋肉の腱や関節包、靭帯といった組織です。
年齢を重ねると、組織は水分を失い弾力性が低下していきます。古くなったゴムのように、硬くもろくなってしまうのです。
変性した組織は、日常のささいな動作による摩擦や負荷でも傷つきやすくなります。
加齢で起こる肩関節の変化:
- 腱板や関節包の弾力性が低下する
- 肩峰下スペースが狭くなる
- 腱板が挟み込まれやすくなる(インピンジメント)
上腕骨と肩甲骨の屋根(肩峰)の間にある肩峰下スペースは、加齢により狭くなりやすい部位です。ここを通る腱板が挟み込まれて炎症を起こします。
この小さな炎症が引き金となり、関節包全体へ炎症が波及することで四十肩・五十肩が発症すると考えられています。
運動不足やデスクワークによる血行不良
長時間のデスクワークやスマートフォンの操作、運動不足の習慣は発症リスクを高める大きな要因です。同じ姿勢を続けると、肩甲骨周りの筋肉が常に緊張した状態を強いられます。
僧帽筋や肩甲挙筋は、長時間の緊張状態(等尺性収縮)により疲弊していきます。
筋肉内の血管が圧迫され、血流が悪化するためです。
血行不良が引き起こす悪循環:
- 酸素や栄養素が組織に行き渡らなくなる
- 疲労物質(乳酸など)が蓄積する
- 組織の修復能力が低下する
- わずかな負荷でも炎症を起こしやすくなる
栄養不足でもろくなった組織は、修復能力が低下しています。運動不足は筋肉のポンプ作用の低下を招き、慢性的な血行不良を定着させる悪循環にもつながります。
加齢による組織の変性をさらに加速させてしまうのです。
【症状別】四十肩・五十肩の痛みを和らげる簡単ストレッチ4選

四十肩・五十肩のストレッチは、症状の時期(急性期・慢性期・回復期)に合わせて、その目的と方法を変えることが極めて重要です。
必ず「痛気持ちいい」範囲を守り、「20秒以上」かけて、「深い呼吸」を繰り返しながら行ってください。
【痛みが強い時期に】座ってできる「肘曲げ振り子運動」(ターゲット筋:肩関節周囲のインナーマッスル)
痛みが強く、腕を伸ばす(下げる)だけでもつらい急性期後半から慢性期初期に行う運動です。
腕の重みを利用する点では従来の振り子運動(コッドマン体操)と同じですが、肘を曲げることで腕の「てこ」の長さを短くし、肩関節への負担を最小限に抑えながら血流を促すことができます。
やり方:
- 椅子に浅すぎず深すぎず腰掛け、背筋を軽く伸ばします。
- 痛む方の腕の肘を90度程度に曲げ、反対の手でその肘(または手首)を軽く支えます。腕の力を完全に抜くことが重要です。
- 息をゆっくり吐きながら、上半身をわずかに前後・左右に揺らします。
- その上半身の揺れ(反動)を利用して、肘から先が自然に振り子のように小さく揺れるのを感じます。腕の力で振ろうとしないでください。
- 痛みを感じない、ごくごく小さな範囲で、30秒〜1分ほど揺らし続けます。
ポイント: 目的は関節を動かすことではなく、力を抜いて関節包内の圧力を変化させ、循環を促すことです。「揺れている」感覚があれば十分です。
【腕が上がりにくい時に】壁を使った「肩甲骨スライド」(ターゲット筋:前鋸筋、僧帽筋)
腕が上がりにくい原因の一つは、肩甲骨が正しく動いていない(連動していない)ことです。
このストレッチは、壁をガイドに使い、肩甲骨を「滑らせる」感覚を再教育します。肩甲骨と上腕骨がスムーズに連動する「肩甲上腕リズム」の改善を目指します。
やり方:
- 壁の前に立ち、痛む側の腕の肘を90度に曲げ、前腕(肘から手首まで)を壁にぴったりとつけます。
- 息を吸って準備し、お腹に軽く力を入れます。
- 息をゆっくり吐きながら、前腕で壁を「スライド」させるように、腕全体をゆっくりと上に上げていきます。
- 肩がすくみ上がらないよう注意し、「肩甲骨が背中の上を滑っていく」感覚を意識します。
- 「痛気持ちいい」または「これ以上は動きにくい」と感じる位置で動きを止め、深い呼吸で10秒ほどキープします。
- 息を吸いながら、ゆっくりと元の位置に戻します。これを5〜10回繰り返します。
ポイント: 上げる高さよりも、「肩甲骨から動かす」意識が重要です。壁に体重をかけすぎないように注意しましょう。
【背中に手が回らない時に】タオルを使った「内旋可動域」改善ストレッチ(ターゲット筋:棘下筋、小円筋、関節包後方)

背中に手が回らない「結帯動作」の制限は、肩関節の「内旋(ないせん=内ひねり)」可動域が失われていることが主な原因です。
このストレッチは、肩の後ろ側にある筋肉(棘下筋など)や、硬くなった関節包の後方を集中的に伸ばします。
やり方:
- タオルの端を、痛む方の手で持ちます。(手のひらが背中側を向くように)
- 反対の手で、タオルのもう一方の端を肩の上から背中側に回して持ちます。
- 痛む方の手は腰のあたりにセットし、リラックスさせます。
- 息を吸って準備します。
- 息をゆっくり吐きながら、上にある手(痛くない方)でタオルをゆっくりと斜め上(または真上)に引き上げます。
- これにより、下にある手(痛む方)が自然と背中の内側に引き寄せられます。
- 肩の後ろ側や脇の下あたりに「痛気持ちいい」伸びを感じる位置で、深い呼吸と共に20〜30秒キープします。
- 左右の手を入れ替えて、反対側も同様に行いましょう。(左右差の確認にもなります)
ポイント: 下の手(痛む方)で無理に力を入れたり、引っ張ったりしないでください。あくまで上の手でコントロールし、下の手は「伸ばされる」ことに集中します。
【肩甲骨周りの硬さに】四つん這いでの「胸椎回旋」ストレッチ(ターゲット筋:広背筋、菱形筋、胸椎周辺の多裂筋)
肩の動きは、背骨(特に胸椎)の柔軟性と密接に関連しています。デスクワークなどで胸椎が硬くなると、肩甲骨の動きも悪くなり、結果として肩関節に負担がかかります。
このストレッチは、肩ではなく「胸椎(きょうつい=胸の背骨)」を動かすことで、間接的に肩周りの柔軟性を高めます。
やり方:
- 床に四つん這いになります。肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるようにセットします。
- 痛む方の手(あるいは、やりやすい方から)を、頭の後ろ(耳の横あたり)に軽く添えます。
- 息を吸いながら、肘をゆっくりと床(反対側の腕)に向かって近づけるように、背中を丸めていきます。
- 息をゆっくり吐きながら、今度は添えた手の肘を天井に向かって開いていきます。この時、顔と胸も一緒に天井に向けるように「胸(胸椎)」を回旋させます。
- 目線も肘の先を追うようにしましょう。
- 「痛気持ちいい」範囲で最大限に胸を開いた位置で、5秒ほどキープします。
- ゆっくりと元の四つん這いの姿勢に戻ります。この動きを5〜10回繰り返します。
- 反対側も同様に行いましょう。
ポイント: お尻が左右にずれないよう、おへそは常に床(真下)を向けておく意識が重要です。「肩」ではなく「胸」をひねる感覚を大切にしてください。
四十肩・五十肩のストレッチで注意すべき3つのポイント

四十肩・五十肩の改善にストレッチは有効ですが、間違った方法では症状を悪化させる恐れがあります。
ここでは、ストレッチで失敗しないための重要な注意点を解説します。正しい知識を身につけて、安全に取り組みましょう。
痛みを感じる場合は無理に行わないこと
ストレッチにおける痛みには2種類あります。筋肉が心地よく伸びる「痛気持ちいい」感覚と、関節や腱が悲鳴を上げている「鋭い痛み」です。
四十肩・五十肋のストレッチでは「鋭い痛み」に注意しましょう。
人間の体には伸張反射という防御反応が備わっています。筋肉が急激に伸ばされすぎると、断裂を防ぐために無意識に筋肉を縮めようとする仕組みです。
無理に伸ばすと、この反射が働き筋肉はより硬くなります。
鋭い痛みを我慢すると起こること:
- 伸張反射が働き筋肉が硬直する
- 炎症を起こしている組織をさらに傷つける
- 炎症が悪化し回復が遅れる
炎症を起こしているデリケートな組織をさらに傷つけることにもなりかねません。
必ず「痛気持ちいい」と感じる一歩手前で止め、その感覚を味わうようにしてください。
ズキッ、ビリッといった鋭い痛みは、体からの警告信号だと理解しましょう。
呼吸を止めずにリラックスした状態を意識する
ストレッチの効果を最大化する鍵は、深い呼吸にあります。痛みや動きに集中するあまり、無意識に呼吸を止めてしまう方が多いです。
呼吸を止めると交感神経が優位になり、筋肉は緊張して硬直してしまいます。
ゆっくりと息を吐く腹式呼吸を行うと、心身をリラックスさせる副交感神経が優位になります。副交感神経が働くと筋肉の緊張が自然と緩み、血流も促進されます。
ストレッチ中は常に「息を吐きながら伸ばす」ことを意識してください。
息を吐くことで筋肉がリラックスし、安全に可動域を広げていけます。深い呼吸は痛みへの意識をそらし、リラックス状態を維持するのにも役立ちます。
吸う時間よりも吐く時間を長くすると、より効果的です。鼻から吸って口からゆっくり吐く、このリズムを保ちながらストレッチを行いましょう。
炎症が強い急性期は安静を第一に考える
四十肩・五十肩の症状には時期があります。発症直後から数週間(時には数ヶ月)続く、炎症が最も強い急性期は、ストレッチよりも安静が最優先です。
急性期の特徴:
- じっとしていても肩がズキズキ痛む
- 夜間痛で眠れない
- 肩が熱を持っている(熱感がある)
強い炎症がある時期に無理にストレッチを行うと、火に油を注ぐようなものです。炎症をさらに悪化させ、回復を大幅に遅らせてしまいます。
急性期は三角巾などで腕を固定し、肩への負担を減らすことが有効です。
痛みが強い場合はアイシング(冷却)も効果的でしょう。ストレッチやリハビリは、激しい痛みが落ち着いてから開始します。
動かさないと固まってしまう慢性期(拘縮期)に移行してから、専門家や医師の指導のもと慎重に始めることが鉄則です。
ストレッチ以外のセルフケア|痛みを緩和する方法

ストレッチに加えて、日常生活でできるセルフケアを取り入れることで、痛みはより効果的に緩和できます。
ここでは自宅ですぐに実践できる「温熱ケア」と「就寝時の体勢調整」の2つの方法をご紹介します。毎日の習慣として取り入れ、痛みの軽減を目指しましょう。
蒸しタオルや入浴で痛む肩を温める
炎症が強い急性期(熱感がある時期)を過ぎたら、肩周りを積極的に温めることが痛みの緩和に有効です。
温めることで得られる大きなメリットは、血行促進と筋肉の弛緩です。
血行が良くなると、硬くなった筋肉や関節包に新鮮な酸素と栄養素が運ばれます。
蓄積した疲労物質や発痛物質を排出しやすくなります。筋肉は温められると柔軟性が増し、緊張がほぐれやすくなります。
効果的な温め方:
- 38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かる
- 肩までしっかり温まるよう入浴する
- 蒸しタオルを痛む肩に10〜15分程度当てる
入浴が難しい場合は、濡らしたタオルを電子レンジで温めた蒸しタオルが便利です。痛む肩の前側、横側、後ろ側に当ててください。心地よい温かさが副交感神経を優位にし、リラックス効果も高まります。温熱ケアは慢性期のセルフケアとして、毎日続けることが大切です。
就寝時にタオルやクッションで肩の高さを調整する
夜間痛の大きな原因の一つは、寝ている間の肩への不適切な負荷です。横向きで寝ると痛む肩が下敷きになって圧迫されます。
仰向けで寝ると腕の重みで肩関節が不安定な位置になり、痛みが誘発されます。
タオルやクッションを使った簡単なポジショニング(体位調整)が非常に有効です。
仰向けで寝る場合:
- 痛む方の腕の肘から手首の下に折りたたんだバスタオルやクッションを置く
- 腕の重みが肩関節に直接かかるのを防ぐ
- 関節が安定した位置(少し腕が浮いた状態)に保たれる
横向きで寝る場合:
- 必ず痛む方の肩を上にして寝る
- 抱き枕やクッションを抱えるようにする
- 痛む方の腕をその上に乗せる
- 腕の重みが分散され、肩関節が不自然に引っ張られるのを防ぐ
小さな工夫が夜間の痛みを大幅に軽減し、質の良い睡眠を確保するために役立ちます。就寝時のポジショニングは、夜間痛対策として最も手軽に始められるセルフケアです。
その痛み、本当に四十肩?考えられる他の病気

実は肩の痛みには、異なる治療が必要な病気が隠れている場合があります。四十肩・五十肩とは症状が異なる疾患が存在します。
ここでは見分けるポイントと、病院を受診すべきサインを解説します。正しい診断が、適切な治療への第一歩です。
腕を動かせるが力が入らない場合は腱板断裂の可能性
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は、炎症や拘縮によって「動かそうとしても動かない」可動域制限が主な特徴です。
一方、腕は動かせるものの特定の動きで力が入らない場合は、腱板断裂の可能性があります。
腱板断裂の特徴的な症状:
- 腕を上げる途中で引っかかるような痛み(アーク・オブ・ペイン)
- 力こぶに力が入らない感覚がある
- 他動的になら腕を上げられる
腱板とは、肩関節を安定させ腕を上げる・回すといった動作を担う重要なインナーマッスルの腱の総称です。
棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つで構成されています。
加齢や外傷によって断裂してしまうと、腱板がうまく機能せず力が伝わりません。
断裂部が擦れて激痛が走ることもあります。放置すると断裂が広がる可能性もあり、治療法(保存療法または手術)も異なります。正確な診断にはMRI検査が不可欠です。
肩だけでなく手足の関節にも痛みがあるなら関節リウマチも
肩の痛みと同時に、朝起きた時の手のこわばりがある場合は注意が必要です。
指や手首、肘、足首など他の複数の関節(特に左右対称)にも痛みや腫れがある場合、関節リウマチの可能性があります。
関節リウマチは免疫システムが自身の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
肩関節周囲炎とは全く異なる病気です。滑膜という関節を包む膜に炎症が起こることで発症し、進行すると関節の軟骨や骨が破壊されてしまいます。
関節リウマチの特徴:
- 朝の手のこわばり(30分以上続く)
- 複数の関節に左右対称の痛みや腫れ
- 微熱が続く
- 体のだるさ(倦怠感)
- 食欲がない
肩の痛み以外に全身症状を伴うことも特徴です。早期発見と専門的な薬物治療(抗リウマチ薬など)が進行を食い止める鍵となります。
疑わしい症状があれば速やかにリウマチ専門医や整形外科を受診する必要があります。
突然の激痛は石灰沈着性腱板炎かもしれない
- ある日突然、何の前触れもなく肩に今までに経験したことのないような激痛が走る
- 夜も一睡もできないほど痛む、腕を少し動かすことすらできない
このような激烈な症状で発症した場合、石灰沈着性腱板炎が強く疑われます。
肩の腱板(特に棘上筋腱)の内部に、リン酸カルシウムの結晶(歯磨き粉のような石灰)が沈着します。
それが何らかのきっかけで腱から漏れ出す際に、急激な炎症反応(化学性の滑液包炎)を引き起こす病気です。
痛みは非常に強く、急性期は安静にしていても激しく痛みます。
四十肩・五十肩が徐々に痛くなることが多いのに対し、この病気は突発的に発症するのが特徴です。
レントゲン検査で石灰の沈着が確認されれば診断がつきます。
治療は炎症を抑える注射(局所麻酔薬やステロイド)が非常に有効な場合が多く、比較的早期に症状が改善するケースも少なくありません。
セルフケアで改善しない場合は早めに整形外科を受診しよう

セルフケアを続けても痛みが引かない時は、整形外科を受診しましょう。自己判断で我慢し続けると、症状が悪化して治療期間が長引く恐れがあります。
次のような症状がある場合は、早めの受診が必要です:
- 夜間痛で寝返りも打てないほどの激痛がある
- 日常生活に支障が出るほど肩が動かせない
- セルフケアを数週間続けても改善が見られない
整形外科では、レントゲンやMRIで腱板断裂や石灰沈着性腱板炎といった別の病気ではないかを調べてもらえます。
正確な診断のもと、以下のような専門的な治療を受けられるでしょう。
整形外科で受けられる主な治療:
- 痛み止めの処方や注射
- 理学療法士によるリハビリテーション
- 症状に合わせた運動療法の指導
放置せずに早期受診することが、通常の生活を取り戻す近道になります。
まとめ:正しいストレッチ習慣で、しなやかな肩を取り戻しましょう
四十肩・五十肩は、加齢や血行不良によって肩関節に炎症が起き、痛みや動きの制限を引き起こします。
回復への第一歩は、今の症状が急性期・慢性期・回復期のどの段階にあるかを見極めること。激しく痛む急性期には安静を保ち、痛みが和らいだら「痛気持ちいい」範囲で深い呼吸とともに20秒以上かけるストレッチが効果を発揮します。
肩甲骨や胸椎の動きを意識したストレッチは、硬くなった筋肉や関節をほぐし、可動域を広げてくれるでしょう。入浴で温めたり寝方を工夫したりと、日々のケアを組み合わせることで回復を後押しできます。続けることが何より大切ですが、無理は禁物です。
改善に限界を感じたら、専門家の力を借りるのも賢い選択。プロの施術なら、自力では届かない深い部分にアプローチできます。
今日から心地よいストレッチを習慣にして、自由に動く肩を取り戻しませんか。